本研究では、1941年から48年の戦時・戦後配給統制システムを解明し、そこに総動員配給統制の側面と戦後の流通合理化政策に通じる物流・商業機関の合理的再編の側面を見ることを課題とした。この結果、(1)輸送能力の制約下で、物資動員計画、生産力拡充計画が策定され、経済総動員計画が成立していたこと、(2)徹底した効率化を追求して輸送システムが再編成されたこと、(3)国民更生金庫を利用して中小の卸・小売業の徹底した整理が進められたこと、(4)卸売業界の徹底整理が、戦時・戦後の流通合理化の原型となっていたことなどを実証した。
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