過去の調査の結果に基づいてより高い精度で定量調査を行うために、質問票を新しく作成し、パイロット調査の結果に基づいて、タイ、ベトナム、中国および日本でアンケート調査を実施した。タイではトヨタ、ソニー、王子製紙、富士通ジェネラルその他タイ進出の日系企業の協力を得て、国文化、職場摩擦の対処方法、伝統的日本的経営に対する日本人管理職とタイ人従業員の見解の違いについてアンケート及び面談による調査を行った。今回はこれに加えて仕事に関する満足度及び社内における役職とこれらの項目との関係を見るための調査も行った。現在タイ人1300人、日本人200人ほどの情報を得ることができているが、日本人管理職分については若干数量が不足しているので、現在、保谷硝子と村田エレクトロニクスの協力を得てタイ北部チェンマイ工業団地においてアンケート調査を続行している。日本、中国およびベトナムでは同じ調査票を使ってそれぞれ、日本人100人、中国人100人及びベトナム人400人分の情報を得ることができた。日本、中国についてはより数量的精度を高めるため引き続き定量調査を続けたい。最終的な結果はこのような関係から出ていないが、統計手法に手分析した結果の中間報告としてアメリカ、タイで学会報告及び在タイ日系企業向け調査報告会を行った。またタイのチェンマイ大学、パヤップ大学及びコンケン大学の研究者向に同じく研究の中間発表を行った。今後は日本人被験者数が定量に達し次第、最終分析を行いその結果に基づいて特に在タイ日系企業の日本人、タイ人従業員の面談を行いたい。論文はこの分野で進んでいる米国の専門誌に発表を予定している。
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