平成19-20年度で行った定量調査の結果を統計手法にて分析し、その結果を在タイ日系企業の管理職(ソニー、王子製紙、富士通ジェネラル、EDPパッケージ、保谷ガラス、304工業団地内日系企業約5社)との面談から加筆修正して2件の論文にまとめ、それらを学会及び企業団体に置いて5回にわたり発表した。定量調査で必ずしも仮説とは一致しなかったものについては次回の調査にて再確認したい。今年度の調査で大きな意義を見出したことは、調査結果をこまめに調査協力企業に連絡することにより、調査協力企業側から、表面的なものから、一歩踏み込んだ協力を得ることができるようになったことである。この結果、在タイ日系企業側からも調査提案が多く出るようになり、その一例として職場摩擦の原因について、リーダーシップや働く動機付けの日本人とタイ人の違い等の職場摩擦に対する影響を検討してほしい旨の依頼があった。次回の調査ではこれらも調査項目に含めたい。調査に対する評価も高く、2009年2月に行った調査協力企業の日本人幹部管理職約50人に対する報告会で、この調査に対する継続の希望は5段階で4以上ということで今後とも引き続き調査研究の必要な内容と判断した。尚、調査対象の国として他のアジアの諸国があるが、フィリピンについては現地訪問時、在フィリピン日本人商工会議所から調査への協力の申し出があり、また副会頭がインドネシアについても可能性を打診してくれるという事で今調査には間に合わなかったが、次調査では調査対象国を拡大できる見通しとなった。
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