研究課題/領域番号 |
19530326
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
周佐 喜和 国立大学法人横浜国立大学, 大学院・環境情報研究科(研究院), 教授 (50216149)
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研究分担者 |
鈴木 邦雄 国立大学法人横浜国立大学, 副学長(教育担当理事), 理事 (30018048)
〓 斗燮 国立大学法人横浜国立大学, 経営学部, 教授 (20262834)
中村 博之 国立大学法人横浜国立大学, 経営学部, 教授 (20217889)
二神 枝保 国立大学法人横浜国立大学, 大学院・国際社会学科学研究科, 准教授 (10267429)
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キーワード | 国際経営 / 技術経営 / 環境経営 / 中堅企業 / 競争戦略 / 比較経営 |
研究概要 |
平成20年度は、前年度に引き続き、中堅企業の経営者を中心に、国内外で聴き取り調査を実施し、有意義な知見を得ることができた。第一に、成功を収めている中堅企業は、独自の技術優位を持っていることが明らかになった。その優位性は、長期間の継続的な努力の蓄積によって築かれ、維持されると同時に新たな方向へ発展していくことが示された。そして、技術優位の構築のためには、顧客企業や地域の関連企業などとの間の協力関係がキーとなることが判明した。第二に、技術優位性から経営成果を得るためには、経営戦略や事業システムとの一貫性・整合性が必要であることが判明した。特に、競合相手の企業との直接の競争関係を避けたり、時には成長性の少ない事業分野にあえて資源を投入したりすることが、中堅企業の成功に繋がる可能性が示された。そして、その経営戦略や事業システムを考案することが、企業トップの重要な役割であることが判明した。第三に、東アジア地域での企業間国際競争において、企業経営の国際比較を試みた。その結果、台湾企業における大胆な事業転換力など、国ごとに異なる優位性が見られることが判明した。第四に、中堅企業の経営において、優秀な人材の確保が大きな課題であり続けていること、その課題に応えるためには、単なる働く場の提供という視点だけでは不十分で、人々の生活環境、すなわち暮らしやすさの確保という観点からの努力が不可欠であることが判明した。特に、地方に立地する中竪企業では、行政などと一体になった努力が要請されていることが明らかになった。
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