研究概要 |
POSデータを用いた統計的手法による実証研究と、実際の企業への訪問調査により、製品戦略と価格の関係について、製品イノベーションが価格に与える影響を測定した。 (1)過去10年間の特定製品の価格推移を主に国内市場において明確にした。製品特性を市場環境(市場規模、競合状況、参入企業数)、タイムトレンド(製品成熟度など)、品質(たとえばパソコンであればCPU速度、メモリー、ディスク容量、画面解像度などの技術に関連する項目)に分解し、価格との関係を分析した。 (2)上記分析を通年、単年、隣接年と分けて行うヘドニック価格関数を複数の産業(ノートパソコン、デジカメ、DVD,液晶テレビ、インクジェットプリンター、冷蔵庫、洗濯機)について行い求めることにより品質調整済み物価指数として計算した。 価格データであるPOSデータは、国内の量販店3000店舗分のデータを収集し、日本の情報家電製品の30%程度の売り上げをカバーしている。このようなPOSデータにはあらゆる製品が含まれているため、まず、分析に用いる分野の製品データを抽出する必要がある。抽出された製品データのうち、年間売り上げ台数の多い上位100機種について、その価格を1月ごとに集計・平均化した数字とともに抽出した。こうして収集したデータを、計算、形式化するプログラムを構築し、一つの製品に対し、四半期ごとの価格推移と品質をとり、ある数量に販売が落ち込むまでの価格推移をデータベース化し、10年分のデータをプーリングした。
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