地域経済活性化および地域資源の活用における文献研究ならびに具体的な事例調査を通して、地域経済活性化の実現には、「企業間連携」「ネットワークの活用」が重要な要因であることが明らかにとなった。地域経済活性化に重要な役割を果たしているのが産業集積を前提とした「異業種交流」、すなわち中小企業の経営革新行動(第二創業)と連動した企業間連携である。これらの理論的なフレームワークに基づいて、地域の中小企業が限られた経営資源を集約させ、また地域資源との併用を通して地域が活性化するという仕組づくりが、地域経済活性化にとって最も重要となるのである。 一方、兵庫県下におけるアドック神戸やワット神戸といった地域に密着した産業クラスターとして、中小企業同士の信用を基盤とし、対等な関係を前提にネットワークの有効性を生かした組織のケース・スタディを通じて、中小企業が存立維持を志向し、第二創業(経営革新)を戦略的に進めていく上での企業間連携は有用な手段となっている。中小企業が新しい市場の創造と地域経済の活性化のへの大きな原動力として、コア・コンピタンスを持った中小企業同士の地域密着型産業クラスターへの支援策の強化を提言した。 中小企業の存立に関する問題を中小企業経営論・中小企業政策論にわたって検証し、地域活性化のための中小企業と連携の関係につき分析・検討している。
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