研究課題/領域番号 |
19530349
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研究機関 | 八戸大学 |
研究代表者 |
丹羽 浩正 八戸大学, ビジネス学部・ビジネス学部, 教授 (50387122)
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研究分担者 |
幸田 浩文 東洋大学, 経営学部・経営学科, 教授 (60178217)
早坂 明彦 聖徳大学, 人文学部・現代ビジネス学科, 准教授 (40238093)
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キーワード | 人的資源管理 / 非正規労働者 / キャリア開発 / 正社員 / 外部労働市場 / 実態調査 / グローバル競争 / ワーキング・スタイル |
研究概要 |
わが国の人材マネジメントは、第二次大戦後の年功序列・終身雇用制度に基づく一社雇用主義に支えられてきたが、第一次石油危機の前後からグローバル競争に対峙するために能力主義が主流となった。企業は能力主義の人的資源管理を制度設計どおりに運用することをしなくなり、次第に年功型に戻してしまったと苦い経験がある。その対応策として、能力主義に代わり、業績・成果主義型の人的資源管理が企業マネジメントに導入され、現在も多くの企業で実践している。しかしながら、期待した成果を上げた企業はまだ少ない状況にある。その間、非正規労働者のワーキング・スタイルは大きく変貌した。戦後は主婦の家計補助型のパートタイマーや学生アルバイトが主流であったが、高度経済成長期の労働力不足と豊かな社会になって働く労働者自身の労働観や働き方は多様化した。その典型として、人材派遣が非正規労働の新たな主役となった。正社員の補助的業務のパートタイマーに比べて、派遣労働者はホワイトカラーの正社員の仕事(高度業務)を担うようになり、特に女性のライフ・スタイルやワーキング・スタイルが変化したことは、労働市場に大きな影響を及ぼし、従来の内部労働市場を外部労働市場化へと転換促進したといえる。 バブル経済崩壊後、アジア諸国の追い上げのなかで、日本はさらに厳しいグローバル競争に晒されることになり、日本を代表する大企業であっても常に革新をし続けなければ生き残れなくなった。このようなグローバルな環境下では、自分のキャリアは会社ではなく、自分自身で開発する時代となり、キャリアの自己形成が求められるようになったのである。正規労働者と非正規労働者の境界が不透明になりつつある現代にこそ、自己の市場価値を高めエンプロイアビリティを常に向上させていく努力を労働者にも要求されているので、非正規労働者自身の組織的有効活用と自身のキャリア開発の均衡を可能にする人的資源管理の施策を調査研究する必要がある。
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