平成20年度における研究成果 (1)具体的内容 これまでの研究成果を、国際ビジネス研究学会第15回全国大会において「日本製造企業の国内回帰現象と国際競争力に関する考察」として発表した。また、国際的な企業競争力の源泉は何かを探求して、東洋大学経営力創成研究センター編『経営力創成の研究』に「資源ベース論からみたマネジリアル・ケイパビリティー持続的競争優位性の構築を求めて-」(第4章、分担執筆)を掲載した。さらに、論文として、東洋大学『経営論集』に「ボーン・グローバル・カンパニー(BGC)の研究」を掲載した。 (2)意義とその重要性 今年度は、まず日本製造企業が国内回帰する理由をさらに掘り下げたが、その結果、それは顧客に対して、付加価値、即時性、生産性という3つの優位性の向上のいずれかに磨きをかけるためであることを明らかにした。 さらに、グローバル生産のなかで日本のマザー工場は、各国での新機種(製品)や生産ライン・工場の立ち上げの支援、量産化や少量生産の支援、製品開発やモデルチェンジにおけるQCDのつくり込みと各国工場への移管、材料・部品調達の企画・立案によるグローバルな最適調達体制の確立、グローバルな視点での生産拠点の有効利用、などの機能を果たしていることを明らかにした。また、「中国リスク」を念頭に置き、技術・製品開発の観点から日本拠点と中国拠点の役割についても検討した。 最後に、資源ベース論的アプローチにより持続的競争優位性を構築するためのマネジリアル・ケイパビリティの重要性を明らかにした。
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