日本企業の国内回帰現象はなぜ生じているのか。また、それはある産業やある業種あるいはある工程において特殊的であるのか。さらに、国内回帰と海外生産は代替的関係にあるのかあるいは相互補完的関係にあるのか。相互補完的関係にあるとすれば国内生産と海外生産の「棲み分け」は業界別・業種別・工程別にいかなる基準で行われているのか等を明らかにする。 また、日本企業の国際競争力との関係で、特に一時中国等に進出したが撤退して国内に回帰した企業の場合と海外生産と国内生産の両方を行っている企業の双方のケースをとり上げ、国内生産を行っているそれぞれの理由を明らかにしたい。前者の場合、特に日本企業が中国企業等に勝つための競争優位の要素・条件や方策は何かを明らかにしたい。後者の場合は、世界最適地生産の観点から、国内工場(マザー工場)と海外工場の立地と役割を明らかにしたい。 以上の研究を通じて国内回帰現象が一時的・ブーム的な現象なのか、それとも今後も継続する製造業の一般的現象なのかを明らかにする。
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