研究概要 |
本研究の目的は、企業間ネットワークの自律的な生成プロセスについて、ネットワーク分析によってその実態を明らかにするとともに、マルチエージェント・シミュレーションに基づき、ネットワークの創発プロセスについてシミュレーションを行うことである。平成20年度の成果・内容をまとめると、主として以下の3点に集約される。 1.市民ネットワークに対するヒアリング調査を実施した。具体的には、大阪市の市議会議員が主宰する市民ネットワークに対するフィールド調査を実施し、キーパーソンに対してネットワークの形成過程に関するインタビューを実施し、ネットワークの形成プロセスについて把握した。これにより,マルチエージェントシミュレーションに必要とされる,ネットワーク形成行動の基礎的ルールのいくつかを抽出することができた。しかしながら,この調査で得られたルールは,個人間のネットワーク形成におけるものであって,企業間に即座に適用できるわけではないため,引き続き企業に対するヒアリング調査も進める必要がある。 2.個人間ネットワークの構造について知るために,アンケート調査によってネットワーク分析を試みることから,アンケート調査を実施するための、プレ調査を実施し、アンケート内容を固めた。 3.研究成果は、学会全国大会2本,学術論文2本というかたちで,公表された。11参照。とくに,経営行動科学学会第11回年次大会では,シンポジウム・シンポジスト兼司会者として,近年における企業間ネットワーク分析の現状と課題について報告し,大きなサジェスチョンを得た。
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