研究概要 |
本研究は,中国私営企業のコーポレートガバナンスについての調査・研究であり,研究の目的に記述したように,発展過程にある中国企業(特に私営の形態をとっている)のコーポレートガバナンスの実態調査・研究である。中国企業は,今や世界的に注目を浴び,かっ世界的な戦略を打ち出している企業も少なくないが,それだけに,グローバルな企業行動基準やコンプライアンス,そして株主対策やCSR等の諸問題に直面しつつある。そうした状況を踏まえて,特に個々の経営者の意識や行動理念・哲学を踏まえた調査に本研究の特徴がある。 本研究の実地計画にも示したように,平成19年度は初年度として,まずアンケート調査票を作成を行なった。そして,これを中国での協力関係にある,蘇州大学の教授グループに現地(蘇州工業園区)での試験的アンケート調査を依頼した。(平成20年2月)この調査は,本年(平成20年)の5月から6月にかけて行われる予定である。さらにもう一つの協力大学である,上海理工大学管理学部の教授グループの協力によって,上海の製薬会社を訪問し試験的インタビューを行った。また更に,上海における日系企業(カシオ)も訪問し,ガバナンスに関する中国での一般的意見の交換を行った。ただ平成19年度の助成金の交付が,同年秋であったことにより,全体的な進捗は,当初より数ケ月遅れて始まったことはご理解いただきたい。 なお,平成20年度については蘇州での予備調査の検討と,本調査の実施,ならびに企業への更なるインタビューが行われる。
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