この研究の目的は、企業ビジョン(ドメイン定義)と多角化戦略と企業業績の関係を調べることである。米国企業と日本企業のミッション・ビジョンステートメントを収集した。産業によって、ミッション・ステートメントやら多角化戦略によって違いがあることが過去の文献から分かったので、産業内に比較的多くの企業を持つ化学産業と電気産業に集中して、データを集めた。 日米の化学と電気企業の多角化戦略についてのデータも集めた。今までの分類方法であるルメルト方式、エントロピィ方式、SICカウントを使いデータを集めた。 しかし、ミッション・ステートメントと多角化戦略の関係は非常に弱いものと判明した。 日本の化学企業のミッション・ステートメントに関する研究として、論文「ミッション・ステートメントと企業業績の関係:日本化学企業のケース」を作成し、立教ビジネスレビューに発表した。この論文では、日本の化学企業のミッション・ステートメントと業績の関係を調べた。米国企業の過去の研究とは異なり、日本(化学)企業のミッション・ステートメントと企業業績は非常に弱い関係を持っていた。 次に、論文「ミッション・ステートメントー日米企業の比較研究」を立教ビジネスレビューに掲載した。また、論文「日米企業のミッション(ビジョン)・ステートメントの比較研究」を経営行動科学学会の年次大会で2008年11月発表した。日本企業のミッション・ステートメントと米国企業のミッション・ステートメントは、かなり違った目的、方法で使われていることが判明した。
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