研究概要 |
本年度は、本研究課題の第2年次に当たる。初年度収集した様々な文献資料をベースに、欧米の金融コングロマリットの経営戦略と組織についてデータを集め始めたところに、2008年9月のリーマン・ショックに端を発する金融危機が広がった。この危機の中で、グローバルな金融機関は軒並みこれまでにない経営危機に見舞われることになった。 この金融危機は、本研究にとっては逆にこれまでにないような研究の絶好の機会を与えるとともに、これからの金融危機から再生後の世界の金融機関の経営戦略と組織デザインを考えるという、現実的に非常に意義の深い研究テーマになった。 どこで、本年度は、2008年-8月にアメリカを訪問し、金融危機と金融機関の経営に関して、研究者にヒアリングを行うとともに、さまざまな文献資料を集めた。これらの文献資料をベースに、帰国後2008年9月の日本経営学会第82回全国大会にて、「サブプライム問題から考える金融機関の経営組織」と題した研究発表を行った。 つづいて、当面の知見について「サブプライム問題と金融コングロマリット経営組織の有効性」と題した論文に取りまとめ、2008年12月九州大学経済学研究第75巻第2,3合併号に発表した。 この問、さまざまなサブプライム問題と金融コングロマリット組織に関する資料の収集を進めるとともに、日本証券経済研究所のセミナーに招待され、東京の専門家たちと議論を深めた。
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