研究概要 |
ワン・ツー・ワン・マーケティングやCRMの実務では、顧客生涯価値(CLV)が重要な概念となっており、その推定のためにマーケティング・サイエンスの分野では様々な学術研究が行われている。本研究では、顧客の離脱が観測できない"Non-contractual(非契約型)"CRMにおいて購買行動データから顧客生涯価値(CLV)を個人別に推定するための消費者行動モデルを構築する。具体的には、ほとんどの企業が収集する顧客RFM購買データ(Recency,Frequency,and Monetary-value)から、離脱、購買頻度、購入金額という3つの相互依存した行動プロセスを個人別にモデル化し、将来の購買行動を予測することによってその顧客の生涯価値を導く。さらに、この3つの顧客行動プロセスを、それぞれ顧客特性と関連付けることによって、新規顧客獲得に対する有用な知見を導くことを目的とする。 それを踏まえて、今年度の計画は以下の3つであった。 1.実務における顧客生涯価値の有用性、使用例をインタビューも含めて探索 半分程度完了、来年度も継続予定 2.顧客生涯価値をモデル化した既存学術研究のレビュー 既存の非契約型CRMモデルは、Pareto/NBDモデルのフレームワークに基づいている。 3.階層ベイズの枠組みに基づいて購買額のモデル化 ディスカッション・ペーパーに概要を紹介している。 また以下の学会に参加をし、研究の報告発表、そして他の研究者からの提案を得た。 2007年6月日本マーケティング・サイエンス学会(関西学院大学) IMPS(International Meeting of Psychometric Society)June 2007 (TOKYO)
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