研究概要 |
ワン・ツー・ワン・マーケティングやCRMの実務では、顧客生涯価値(CLV)が重要な概念となっており、その推定のためにマーケティング・サイエンスの分野では様々な学術研究が行われている。本研究では、顧客の離脱が観測できない"Non-contractuai(非契約型)"CRMにおいて購買行動データから顧客生涯価値(CLV)を個人別に推定するための消費者行動モデルを構築する。具体的には、ほとんどの企業が収集する顧客RFM購買データ(Recency, Frequency, and Monetary-value)から、離脱、購買頻度、購入金額という3つの相互依存した行動プロセスを個人別にモデル化し、将来の購買行動を予測することによってその顧客の生涯価値を導く。さらに、この3つの顧客行動プロセスを、それぞれ顧客特性と関連付けることによって、新規顧客獲得に対する有用な知見を導くことを目的とする。 それを踏まえて、今年度の計画は以下の3つであった。 1.階層ベイズの枠組みに基づいて購買額のモデル化完了 2.顧客生涯価値をモデル化基本モデルの構築、シミュレーテッド・データでの検証が完了 3.実データへの適用日米3種類の実データを用いた検証が80%完了 同時に、パラメータの推定誤差が最適化やマネジャーの意思決定に与える影響を検証するという新たな問題提議も得られたので、来年度の研究課題としたい。 また以下の学会に参加をし、研究の報告発表、そして他め研究者からの提案を得た。
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