研究概要 |
ワン・ツー・ワン・マーケティングやCRMの実務では、顧客生涯価値(CLV)が重要な概念となっており、その推定のためにマーケティング・サイエンスの分野では様々な学術研究が行われている。本研究では、"Non-contractual(非契約型)"CRMにおいて購買行動データから顧客生涯価値(CLV)を個人別に推定するための消費者行動モデルを構築する。具体的には、ほとんどの企業が収集する顧客RFM購買データ(Recency, Frequency, and Monetary-value)から、離脱、購買頻度、購入金額という3つの相互依存した行動プロセスを個人別にモデル化し、将来の購買行動を予測することによってその顧客の生涯価値を導く。さらに、この3つの顧客行動プロセスを、それぞれ顧客特性と関連付けることによって、新規顧客獲得に対する有用な知見を導くことを目的とする。モデルの検証は、既存のベンチマークであるPareto/NBDに基づいたモデル(Fader, Hardie, and Lee 2005, Schmittlein, Morrison, and Colombo 1987)との比較を試みる。
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