研究概要 |
本研究の目的は,日本を中心としたアパレル産業の国際的な分業体制について現状を明らかにすると同時に、理論的な観点から分析し,学術的な成果を挙げ、また、日本のアパレル産業が抱える問題解決のための示唆を提供することである。19年度には、文献研究およびマクロデータ分析をおこなった上で、高い業績を誇る中小規模のニットメーカー2社(岐阜県と山形県),そして,それらの中小メーカーをサポートする仕組みをもつ「セールスレップ」を担当する企業の調査をおこなった。 これを受けて20年度は、中国、台湾、韓国の東アジア先進諸国のアパレル市場調査を、現地の関係機関のインタビュー調査を中心としておこなった。そこでは主に、(1)中国のアパレルメーカーは中国国内市揚への関心が高く、日本市場はそれほど重視していないこと、(2)台湾市場は日本と同様に、国内の中小アパレル企業の疲弊度が高く、日本と同様の戦略(ブランド化、高品質化)が必要なこと、(3)韓国は中小アパレル企業の市揚シェアが日本より高く、中小アパレルが活躍できる市場(チャネル)が東大門市場を中心に残されていること、を確認した。今年度は、これらの研究成果を踏まえて、海外での学会報告・論文執筆をおこなう。
|