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2009 年度 実績報告書

高度化社会における新しい消費スタイルに関する研究―贅沢消費の日米比較―

研究課題

研究課題/領域番号 19530393
研究機関法政大学

研究代表者

木村 純子  法政大学, 経営学部, 准教授 (00342204)

研究分担者 田中 洋  中央大学, 大学院・戦略経営研究科, 教授 (60286002)
キーワードラグジュアリ / ビデオグラフィー / 消費文化論 / 価値 / 贅沢消費
研究概要

この研究の目的は、日本の茶道のなかにみられるもてなし行動を通じて、ぜいたく感情がどのように生成するか、ぜいたく感情の生成メカニズムを見るにとにある。我々の今回の主要なリサーチ・クェスチョンは、「なぜ茶会の参加者は贅沢を感じるのか?」である。今回は日本の茶の湯を対象として、ビデオグラフィーを行うことにした。なぜ日本の茶道を研究対象としたのか。茶道は実用的な消費者行為ではなくて、非日常的に行われる儀式であり、ぜいたくである。そこにはもてなしという行為が基底にあり、ぜいたくを感じさせるための仕組みがあるのではないかと考えられたからである。お茶会のセッションを三人の女性に行ってもらい、ビデオにその茶会の様子を撮影した後でインタビューを行った。インタビューを通じて明らかになったことは、茶会という機会に亭主と客との間にさまざまなインタラクションが存在することである。こうしたインタラクションは次の3つのキーワードで表すことができる。1.チームワーク、2.テーマ性、3.ゲームである。重要なことは、茶会において茶道具のようなモノや、茶会という貴重な社会的価値のある事態(event)を通じて、参加者がそこに自分の人間関係のあり方を読み取っているということである。つまりこうした茶会というコンテキストで提供される飾りつけや道具は単に価値のあるモノというだけでなく、亭主と客との人間関係、あるいは自分自身のアイデンティティについてのメッセージを伝える媒体になっているということなのである。例えば、貴重な茶道具を出された客は、亭主からその茶道具の言われや歴史を聞いてとてもうれしく思う。なぜそのような話を聞くのが喜びなのか。ひとつは亭主が自分のために貴重な茶道具を出してくれたということ、もうひとつは、そうした歴史のある茶道具と触れ合うことによって自分が歴史的存在であることを感じさせてくれるからなのである。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Binomial Structure in Luxury : Analyzing Overseas Trip Experiences of Japanese Well-to-dos2009

    • 著者名/発表者名
      Junko Kimura, Hiroshi Tanaka
    • 雑誌名

      Advances in Consumer Research 36

      ページ: 805-806

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Interpreting Luxury2009

    • 著者名/発表者名
      Junko Kimura, Hiroshi Tanaka
    • 雑誌名

      経営志林 第46巻第3号

      ページ: 43-50

  • [学会発表] RESTRAINED PURSUIT OF LUXURY : WEALTHY SHANGHAINESE ATTITUDES TOWARDS UPSCALE CONSUMPTION2009

    • 著者名/発表者名
      Junko Kimura, Hirishi Tanaka
    • 学会等名
      Association for Consumer Research
    • 発表場所
      Pittsburgh, PA, USA
    • 年月日
      2009-10-26

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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