旧FAZ(Foreign Access Zone;輸入促進地域)中で従来貿易後進地であった地方空港地域でおもに航空機を利用し貿易取引を行っている中小貿易業者による貿易取引は如何なる特長や問題点を有しているのかについて明らかにするとともに、かれらが貿易取引を円滑に行ううえで最も重要なトレード・タームズについてどの程度の理解度と適正使用度を有しているのかについて、調査を実施した。 その結果、地方に所在する中小貿易業者は、航空機利用での貿易取引で実際にどのようなトレード・タームズを使用しているのか、使用経験はないが知っているトレード・タームズは何か、貿易契約で使用するトレード・タームズの準拠規則を取り決めているか、紛争解決方法を取り決めているかなどについてのデータを収集できた。そのデータを分析することで、地方中小貿易業者のトレード・タームズなどに関わる諸点、ならびに地方間でのトレード・タームズなどに関わる相違点が明らかにできた。またその成果を踏まえて、トレード・タームズの理解度およびその適正使用度などに関して、同一地方間で時系列的に相違が生じてきたのか、大手貿易業者と地方の中小貿易業者の間に如何なるギャップがあるのかなどについても明らかにできた。以上から、将来地方で航空機を利用した貿易振興を積極的に行う際の中小貿易業者に対する実務的なソフト面の支援方策が導きだせたものと考える。
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