本研究は、日本の個人金融市場において金融機関の金融マーケティング戦略が大きく変化する中、各戦略を多様化するチャネルごとに分析し、さらに家計の金融商品選択に際しての商品選択の意思決定ルールや情報取得過程について検討した。金融機関による個人金融資産獲得のためのマーケティング戦略については、まだ競争が始まったところで十分整理されていない。現在の金融マーケティング戦略のトレンドについて主に流通チャネル別に分析、規制緩和により多くの金融情報が得られるようになった現在、消費者はどのような情報取得行動を行い金融商品を評価するのかを明らかにする。また、家計の属性別(年齢、世代、保有金融資産、知覚リスク水準や商品関与水準等)に基づき、検討を加え金融商品選択行動の構造を解明する。 平成19年度は、個人金融商品市場の変化を概観し、金融チャネル別のマーケティング戦略について整理するため国内外の参考文献や資料を収集した。 1.日米家計の金融資産選択行動に関する先行文献の収集とレビューを行った。 2.日本においての個人金融市場の歴史的展開と、金融ビッグバン以降の金融自由化の政策を示し、それが家計の金融資産選択に対して持った意味について考察を行った。 3.米国においての個人金融市場の歴史的展開と金融政策を示し、それが家計の金融商品選択に対して持った意味について考察を行った。 4.日本国内の(1)証券会社(インターネット含む)、(2)銀行、(3)郵便局、(4)メーカー系、(5)流通系等、各々の金融マーケティング戦略に関してチャネル別に整理、資料を収集した。
|