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2008 年度 実績報告書

拡大EUの資本市場形成と域内新興経済圏の会計基準統合化についての研究

研究課題

研究課題/領域番号 19530407
研究機関九州大学

研究代表者

小津 稚加子  九州大学, 経済学研究院, 准教授 (30214167)

キーワードIFRS(国際財務報告基準) / 新興経済圏 / SME / EU
研究概要

IASBが2007年2月に公表したSME版IFRS(公開草案)では、国際的な資本移動に関わらない報告主体の会計基準を扱っている。EUは2005年から上場企業の連結財務諸表の作成・開示にIFRSを適用しているが、非上場企業と域内新興経済圏(エマージングエコノミー)の会計規制の問題は残されたままである。本研究課題では、EU域内における新興経済圏諸国にIFRSが導入される場合の問題点にアプローチした。その結果、明らかになったことを以下に示す。
(1)SME版IFRSは完全版IFRSの縮刷版として構築されているので、後者が抱えている理論的な課題を持ち越している(例えば、金融資産・負債、収益認識、無形資産・企業結合・のれん)。
(2)SME版IFRSは概念フレームワークにもとつく基準の開発という条件を間接的にしか満たさない。したがって、SME版IFRSにもとづく財務情報が「品質」を備えたものであるかどうかは、検討の余地を残しており、拡大EU諸国に導入するには未解決な論点がある。
(3)財務情報利用者のベネフィットが強調され、クロス・ボーダー取引に参加する金融機関が外部利用者として想定されており、通常より限定的な利用者が念頭に置かれている。
(4)今後の課題として、EU新規加盟諸国の基準統合化促進にSME版IFRSが効果を発揮するためには、論点整理(例えば、原則主義の適用)、USGAAPとの国際比較やSmall GAAP研究、フィールド・テストが必要である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] SME版IFRSの開発過程2009

    • 著者名/発表者名
      小津 稚加子
    • 雑誌名

      経済学研究 75

      ページ: 1-14

  • [雑誌論文] EUによる同等性評価の最新動向2008

    • 著者名/発表者名
      小津 稚加子
    • 雑誌名

      企業会計 60

      ページ: 33-40

  • [学会発表] SME版IFRSの開発過程2009

    • 著者名/発表者名
      小津稚加子
    • 学会等名
      サマーセミナーin九州
    • 発表場所
      長崎県立大学
    • 年月日
      2009-08-09

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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