研究概要 |
目的と実施計画では,2009年度に3つの計画を立てた。(1)海外での発表,(2)インタンジブルズの研究の推進,(3)および後進の育成である。目的と実施計画の両方で立てた3つの計画は,すべてが達成できたと思われる。 第1に計画したアムステルダムでの世界議は,予定通り発表を行った。ただ,反応はいま1つであった。管理会計の領域とは違って,レピュテーションといった新しい領域では,まだ新参者であることも関係しているように思われる。とはいえ,2つの点で,この発表は結果として存外の成果をもたらしたと思っている。1つは,終了後の土曜日に訪問した酪農地帯を見学した結果,日本でも酪農をもっと盛んにすべきだという思いが強まり,2000年と2002年の2度にわたって不誠実な行為で世間から糾弾された雪印乳業(現在の雪印メグミルク)を支援するべく,訪問調査を行うことにし,2010年度になるが,専門誌『税経通信』の6月号で発表するという"おまけ"までつくことになったことである。いま1つは,2010年度には初めて世界会議の責任者であるフォンブラン教授から招待されるまでになったことである。 第2の計画,インタンジブルズの研究は,日本会計研究学会のスタディ・グループで発表するとともに,スタディ・グループの中間報告『インタンジブルズの管理会計』の総論に収録することができた。 第3の計画であった後進を育てるという点については,客観的な測定は難しいが,スタディ・グループで十分なことができたと考えている。加えて,予定外ではあるが,日本管理会計学会で統一論題での発表を依頼され,発表内容は好評を博した(と自分では思っている)ことが,広い意味での後進の育成に繋がったと思う。
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