1研究の目的の達成度 本研究は、最終的な課題として、病院経営の現状等、病院会計準則の浸透性、病院会計準則の理論的整合性、病院経営に対しての有用性などを十分に検討することを目的としていた。最終年度としては目的のためのアンケート集計、結果の分析など順調に達成されてきたと考えられる。 また、本研究をさらに発展させる課題についても見通すことができ、一成果を残すにとどまらず、今後の糧としての研究として有用であったと確信している。 2研究実施計画との照合 (1)最終年度も病院の経営実態、病院会計準則の利活用度、有用性を検討するために、インタビュー・ヒアリング調査の実地調査を継続して行い、有用な示唆が得られた。 (2)病院に対してアンケート調査を実施、回収、現在は取りまとめ、分析をおこなっており、できるかぎり統計的な分析を実施中であり、最終段階である。 (3)改正病院会計準則の病院経営における有用性は、アンケート結果から財務会計的、管理会計的からの2方面からおおむね有用であることが確認され、所期の意図と一致した。 (4)この間に、論文等で成果を報告したほかに、有用性として経営分析システムの構築が導き出せたことで、今後の研究の課題が浮き彫りとなった。 (5)成果を海外に発信するため、論文を英訳する作業に取り組んでおり、海外ジャーナルにアプライする予定である。 また、本研究を進める上で、東京医科歯科大学教授河原和夫先生には貴重な示唆をたまわり、ご指導いただいた。特筆させていただきたい。最後に、本調査研究は、当研究費の補助なくしては結実できず、深謝させていただきたい。最後になるが、当然のことながら、研究費は適切な支出であったことを付言しておくことにしたい。
|