研究概要 |
平成19年度の研究成果を応用して,平成20年度においては,貸借対照表上に開示される繰越欠損金,繰延税金資産,および繰延税金負債の回収可能性を,モンテカルロ・シミュレーションを用いて評価する方法を,研究代表者である竹原が開発した,同方法を東京証券取引所第一部・二部上場全企業について適用し,税効果会計の適用開始直後においては,多くの企業について監査委員会報告第66号に示された指針をもってしても,課税所得の十分性が確保されていなかったものの,近年では評価が厳格化される傾向にあることを実証的に確認した.この研究成果は,日本ディスクロージャー研究学会大会において,発表され,現在は論文執筆・査読付学術誌への投稿準備中である. また会計情報とマクロ経済,株価形成の関係の分析については,竹原と研究分担者である中央大学久保田敬一が担当し,その成果をSouthwestern Finance Association Annual Conferenceにおいて報告した.同研究はAmerican Association of lndividual lnvestors Best Paper Awardを受賞し,海外の学術誌において審査中である. 会計利益の質,異常会計発生高の推定方法に関しては,竹原,および分担者である奥村が研究を継続中である.21年度については,竹原が日本会計研究学会第67回大会において研究発表を行なった.また異常会計発生高と企業の信用リスクの関係については,竹原らが9th Annual Conference of Asian Academic Accounting Associationで研究発表を行い,現在投稿準備中である.
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