世界の国や地域で、国際会計基準審議会(IASB)による国際財務報告基準(IFRSs)の受入れが進んでいる。米国では、これまで米国証券取引委員会(SEC)は、米国会計基準が他の国や地域の会計基準よりも優れているとの立場を取ってきたが、財務会計基準審議会(FASB)はIASBとの間で米国会計基準とIFRSsとのコンバージェンス(収斂)を模索している。IFRSs導入を決定した国や地域の事例研究に加えて、SECによるIFRSs受入れや外国企業に課している米国会計基準への調整表作成・開示要件の撤廃の過程を検討することを通じて、会計基準の競争優位とそのコンバージェンス・メカニズムの全貌を明らかにした。
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