研究概要 |
MOTに関わる管理会計手法の開発として、BPMにおけるアブダクション・アプローチ、プロセス原価計算、データ・マネジメントに関する研究を行った。 仮説を立てて,実験し,何故,どのようにして効いたかはわからないが,「多分この手が効いた」と推論する推論形式を哲学者パース(Piece.C.S.)は,アブダクションと定義した。量的目標とくに会計数値によって管理する「結果による管理(Management by Result : MBR)」と個々の関連性のパターン形成とディテールの重視による「手段による管理(Management by Means : MBM)が定義され、MBM実現のために、アブダクション・アプローチによるBPMを提唱した。具体的には、モンテカルロシミュレーションによるプロセス負荷予測ツールやVRによる組立加工シミュレーションによるコスト分析ツールを開発した。 BPMでは、プロセスごとにインプットとアウトプットを計測し、さらには、プロセス内での活動にも目を向けます。プロセスごとに原価を集計し、分析すると、利益計画が達成できないのはプロセスごとの操業度バランスがくずれていることが原因であることが見つかる。つまり、BPMと原価計算を組み合わせて、プロセス別に原価を分析することができれば新たな知見が得られる可能性があることを示すことができた。 さらに、品質トレーサビリティ・システムとデータ・マネジメントを組み合わせ、BPMとデータ・マネジメントによって、現場力・技術力の強化が経営力にリンクすることの実証研究を行い、製造中小企業でも、その効果があるがわかった。
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