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2008 年度 実績報告書

大航海時代の到来によって変化する取引形態と、16世紀の複式簿記の対応に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19530424
研究機関西南学院大学

研究代表者

土方 久  西南学院大学, 商学部, 教授 (40069711)

キーワード先物売買取引(特殊売買) / 航海取引(特殊売買) / 冒険(運・不運)売買(特殊売買) / 旅商取引(特殊売買) / 冒険貸借(特殊貸借) / 徴利禁止令(1234年) / 無償貸借(特殊貸借) / 仮装売買(特殊貸借)
研究概要

複式簿記の歴史の裏付けを得ながら、その論理を解明するとしたら、大航海時代によって変化する取引形態を意識して、複式簿記はどのように対応したか、この問題から解明しなければならない。特に問題になるのは、特殊な商品売買のために開設される「先物売買勘定」、「航海勘定」、「冒険売買勘定」(日本では、直訳されて「運不運勘定」)、「旅商勘定」、さらに、特殊な金銭貸借のために開設される「冒険貸借勘定」である。
そこで、16世紀に出版される複式簿記の印刷本を渉猟、読み漁ることで、例示される仕訳帳と元帳から、1つひとつ解明、この特殊な取引形態の全貌は、ほぼ浮き彫りにしえたようである。紙幅の都合から、すべてを記載しえないが、例えば、損害保険の先駆である「冒険貸借」は、1234年に公布される「徴利禁止令」に抵触することを理由に、存続されることは困難になって、むしろ、廃止されてしまい、「無償貸借」、「仮装売買」が開発されたことになっている。しかし、16世紀に出版される複式簿記の印刷本には、冒険貸借は依然として例示される。そこで、16世紀まで存続されたのはなぜか、複式簿記からの疑問、この謎の謎解きに挑戦、改めて実証している。併せて、「無償貸借」、「仮装売買」について、どのような取引形態であったかは実証しえないまでも、解明はしている。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 複式簿記会計への進化-17世紀から19世紀までの単式簿記と複式簿記化-(III)2008

    • 著者名/発表者名
      土方久
    • 雑誌名

      『商学論集』(西南学院大学) 55/1

      ページ: 1-58

  • [雑誌論文] 複式簿記会計の歴史と論理-ドイツ簿記の16世紀から複式簿記会計への進化-2008

    • 著者名/発表者名
      土方 久
    • 雑誌名

      『商学論集』(西南学院大学) 55/1

      ページ: 187-205

  • [雑誌論文] 冒険貸借と徴利禁止令-大航海時代における複式簿記からの疑問-2008

    • 著者名/発表者名
      土方久
    • 雑誌名

      『商学論叢』(近畿大学) 54/1

      ページ: 9-19

    • 査読あり
  • [学会発表] 冒険貸借と徴利禁止令-大航海時代における複式簿記からの疑問-2008

    • 著者名/発表者名
      土方久
    • 発表場所
      東北大学
    • 年月日
      2008-10-28
  • [図書] 複式簿記会計の歴史と論理-ドイツ簿記の16世紀から複式簿記会計への進化-2008

    • 著者名/発表者名
      土方久
    • 総ページ数
      1-604
    • 出版者
      森山書店

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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