研究課題
本研究の課題は、日本・中国・韓国・台湾の中規模の自動車部品製造企業を対象に、企業の雇用管理の内実と労働者の職業能力の実態を調査することを通じて、各国の中小企業の人材形成の特質を類型化するとともに、成長の見込まれる雇用管理と職業能力のパターンを析出し、今後求められる労働市場政策および職業能力開発政策の展開に必要な方法論を提起することである。具体的には、企業調査と労働者調査に基づき、次のような仮説を検証しようとするものである。(A)東アジアにおいて、働く人の職業能力形成と中小企業の雇用管理との組み合わせには幾つかの類型が想定できる、(B)働く人の職業能力を向上し得る雇用管理の下において、中小企業の成長が最も見込まれる、(C)中小企業に対する政策的な支援の重点は、働く人の職業能力の向上に置かれるべきである。平成22年度には、台湾に対する文献調査とともに、韓国と中国に対する実地調査を行った。働く人の職業能力形成は、(ァ)一般教育、(イ)OffJTによる職業訓練、(ウ)企業のなかでの実務経験の獲得、(ェ)企業間の移動による実務経験の獲得、の複合によることに鑑み、調査対象企業の協力を得て、当該企業の従業員がどのような経路で職業能力を獲得し、その職業能力をどのような形でキャリアに結びつけていくのかを調べた。なお、今までの調査をふまえ、4ヶ国間の比較を行い、国際比較の方法論に関しても一定の仮説を提起した。
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歴史と経済 第203号
ページ: 3-13
Congress Proceedings, 15th World Congress of the International Industrial Relations Ass ociation