本研究では、震災以降の神戸でのボランティア活動を現場で調査する。ここではボランティアの活動を社会学的な立場から記録を続けながら、単なる人・物・資金の組織経営論ではない、活動実践とそれをとりまく環境的条件から導かれるボランティア論(活動-経営論)を立ち上げるのが目標となる。新自由主義的政策や政府の財政難などにより、ここ数年は要支援者のおかれた状況が厳しくなっており、支援ボランティアもこれに伴って組織変容等が迫られるなどの新たなフェーズに突入している。このような制度や構造の壁に遭遇したボランティアの活動状況を捉えるのも目標の一つである。また、地域社会研究にボランティア理論を位置づけることも試みたい。
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