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2009 年度 実績報告書

学術情報のゲートキーパーとしての出版社に関する文化生産論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 19530433
研究機関一橋大学

研究代表者

佐藤 郁哉  一橋大学, 大学院・商学研究科, 教授 (00187171)

キーワードゲートキーピング / 組織アイデンティティ / 複合ポートフォリオ戦略 / 創発性 / 学術界 / 大学界 / 大学出版部 / ピアレビュー
研究概要

学術出版社のゲートキーピングのあり方をめぐっておこなわれてきた本研究は、その終盤を迎えつつある。既に予定の分量の8割の作成がほぼ完了し、2010年前半の刊行を目指して執筆中のモノグラフは、主として民間の出版社3社および大学出版部1出版部の事例研究が中心になっている。平成21年度特に注力したのは、これら4社の出版部に対する追加インタビューと資料調査を通して分析フレームとキイ概念の確認をおこなうとともに、それらを更に彫琢していく作業である。
その作業を通して明らかになってきたのは、我々が複合ポートフォリオ戦略と名づけてきた、出版社の組織戦略がきわめて創発性に富むものであるという点である。また、組織アイデンティティに関しては、その「文化対商業」の軸が協働の目的に関わるものであり、一方「職人性対官僚制」軸は協働の仕方に関わるものであることが明らかになってきた。さらに、比較事例分析の結果は、これら両キイ概念がともに学術出版社がその中に埋め込まれている組織フィールドにおける文化的既定を色濃く反映するものであることを明らかにしている。
さらに平成21年度は、米国の大学出版部の事例研究を資料調査およびインタビュー調査を通してより本格的な形でおこなってきたが、その結果は、日本の学術出版におけるゲートキーピングのあり方が、学術界の内部的なレビュー(ピアレビュー)を経ることなくおこなわれてきており、また、それが大学界における人材のゲートキーピングのあり方の問題性と深く関わっていることを示している。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 学術出版のフィールドワーク2010

    • 著者名/発表者名
      佐藤郁哉・山田真茂留
    • 雑誌名

      社会学年誌 51

      ページ: 1-8

  • [雑誌論文] 組織アイデンティティの変容過程2010

    • 著者名/発表者名
      山田真茂留・芳賀学・佐藤郁哉
    • 雑誌名

      社会学年誌 51

      ページ: 29-68

  • [雑誌論文] 制度変化に失敗するプロセス2010

    • 著者名/発表者名
      遠藤貴宏・佐藤郁哉
    • 雑誌名

      日本企業研究のフロンティア 6

      ページ: 157-182

  • [学会発表] Lost and Gained in Translation2009

    • 著者名/発表者名
      Ikuya Sato
    • 学会等名
      American Sociological Association
    • 発表場所
      San Francisco, Hilton
    • 年月日
      2009-08-17

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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