研究課題
本年度は、愛知県自治体の社会経済的変数のデータ・ベースづくりを進め、これにもとづき県内の地域特性を分析した論文(英文)を発表した。自動車産業が立地する西三河地区の自治体が、高い生産性、都市成長度、ブルーカラー比率と上層ホワイトカラーの就業比率の高さを示している「産業都市成分」で高いスコアを示すことが明らかになった。豊田市の調査では、とよた市民活動センターの登録団体、市役所関係部署、トヨタ自動車の地域貢献関連部署へのヒアリングを予定通り進め、都市構造・まちづくり活動・トヨタ自動車の地域貢献という三部に構成し、その記録をゼミ論文集(Sociological Inquiry V)にまとめた。このほか、年度末からは市の「わくわく事業」参加団体へのヒアリングに着手し、まちづくり団体のアクター、その階層的地位・ネットワーク、それらが構成している公共空間の分析を進めている。全体として、行政・既存団体間の垂直的なネットワークが再編強化され、地縁的な市民活動が活性化している様子が明らかになってきている。これらの成果は、平成20年5月の地域社会学会で発表する予定である。知多地域の調査については、食育関係団体・行政担当者、スローフード運動団体を中心に研究分担者が精力的にヒアリングとイベントへの参与観察をおこない、この成果を二本の論文にまとめている(うち一本は『村落社会研究』28号に掲載決定、平成20年度刊行予定)。
すべて 2008
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件)
Journal of the school of Letters, Nagoya University. vol.4
ページ: 51-63
名古屋大学社会学論集 28
ページ: 117-134