暴力・虐待の生起に関しては、小学生へのアンケート分析の結果、約23~37%の回答者が被害を申告していた。男女別の傾向は地域差があったが、学年別では、高学年ほど被害が減少していた。被害の経年変化は一様ではないが、増加傾向は認められなかった。質問紙調査では、身体的暴力と悪口無視は中学生、性的被害は大学生に多いことがわかった。 予防教育プログラムの効果に関しては、中学生のプログラム参加者と未参加者の被害経験、自尊感情などに有意差はなく、プログラムの効果は認められなかった。また、高・大学生ではプログラム参加がそもそも少なく、予防教育が定着しなかったことがうかがわれる。
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