1.2005年に日本のシングルマザーを対象に行った「母子家庭の就労を困難にしている要因に関するアンケート調査」を、韓国のシングルマザーを対象に行った。調査項目は大きく(1)就労困難性に関する項目、(2)資格とキャリアに関する項目、(3)子育て環境や情報等に関する項目、(4)女性の労働観と子育て観に関する項目、(5)シングルマザーの差別に関する項目、(6)基本的属性に関する項目からかる。現在、日本のデータと韓国のデータを比較分析しているところである。 2.福岡県母子家庭等就業・自立支援センター、福岡市母子家庭等就業・自立支援センター、京都市母子家庭等就業・自立支援センター、及びしんぐるまざあずふぉーらむ関西のスタッフの方々を対象に、母子自立支援プログラムの現状と課題、及びシングルマザーの就労困難性に関するインタビュー調査を行った。本調査より、以下のことが明らかとなった。(1)プログラムの広報を充実させる必要がある。(2)母子家庭等就業・自立支援センターの利用者のニーズをカテゴリー化して理解する必要がある。(3)ケースマネジメントの際に、ライフステージの表を使用しながら、母子自立支援プログラム策定員と利用者が具体的にプランを立てることは有効である。(4)一般的な職業訓練に付け加え、シングルマザーの自己肯定観を高めたり、母子家庭固有の就労と生活に関する女性労働教育やアドバイスを充実していく必要がある。(5)職業教育、職業訓練中の所得保障を充実していく必要がある。(6)母子家庭就業・自立支援センターとハローワークの連携を強める必要がある。
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