第1に、韓国の自活後見機関にて、公的扶助を受給しているシンクルマザーに対する就労支援の現状と課題についてインタビュー調査を行った。シングルマザーだけに焦点を当てた就労支援をしているわけではないが、支援対象者の多くは女性であり、その中に多くのシングルマザーが含まれていることが明らかとなった。注目すべきは、この機関において、シングルマザーが起業し、働くための就労支援が積極的に行われている点である。こうした中、これらの実践の日本への応用可能性について検討した。 第2に、韓国の健康家族支援センターにて、ひとり親家族に対して行っている家族支援についてインタビュー調査を行った。注目すべきは、健康家族支援センターにおいて研修を受けた大学生がひとり親家族の子どもを支援するサービスを積極的に行い、子どもたちの情緒的安定等によい効果を及ぼしている点である。また、健康家族支援センターは、ひとり親家族のセルフ・ヘルプ・グループの組織化に貢献していることも明らかとなった。こうした中、これらの実践の日本への応用可能性について検討した。 第3に、日本、フランス、韓国で行った4年間の研究結果を単著としてまとめた。具体的には、3カ国のシングルマザーの就労困難性の現状、家族政策、ひとり親家族への政策、就労支援政策(ワークフェア政策含む)、公的機関とNPOにおける就労支援の現状と課題についてまとめた。平成23年度中に出版予定である。
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