(1)1996年に科学研究費によって、九州山地の過疎山村、大分県中津江村の調査研究を行なった。その成果は書籍や論文となって公刊されているが、10年後の中津江村を追跡調査しようと思う。この10年は平成の大合併を含み、過疎山村を調査研究するには、非常に重要な時期である。 2)加えて合併を別にしても、近年、過疎地域は非常に大きな変動期にある。この中でもっとも大きな変化は、過疎地域から子どもがいなくなり、集落が滅びようとしていることである。このような「少子型過疎」は、1990年ごろから顕著に現れるようになったが、その動きは加速化しており、過疎山村に深刻な事態をもたらしている。その実態を見極めるのが、今回調査の課題である。
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