研究概要 |
本研究は消費社会化の著しい日本を含む東アジアについて,消費文化におけるアメリカ化と非アメリカ的多様化の実相を理論的かつ実証的に明らかにすることを目的とする調査研究プロジェクトである。こうした研究はこれまでイデオロギー論争の様相を含んだものが多かった。それに対して文献,理論研究とともに大規模量的調査よる実証研究である点に,本研究の意義,重要性を認めることできる。当初の研究計画としては平成19年度は日本のグローバル消費に関する実証研究,東アジア諸国のグローバル消費,特に消費の多様化の側面に関する文献および理論研究を行い,さらに次年度は前者についてはデータ分析,学会報告,論文発表,調査報告書の作成,後者については東アジア諸国のグローバル消費,特に消費の画一化の側面に関する文献および理論研究を行う予定であった。 平成19年度は上述したとおり,大規模量的調査と文献・理論研究を行った。前者の調査概要は以下のとおりである。実査期間:11-12月,対象:首都圏(新宿40km圏)の20歳以上70歳未満の有権者,標本規模:3,200件,抽出法:選挙人名簿を用いた多段無作為抽出法。おもな質問項目:外国的消費財についての嗜好度,外国的消費財による日本文化への影響についての意識,外国的消費文化と日本的消費文化の望ましい関係についての考え方など。上述のとおり,平成19年11〜12月に実査,さらに,平成20年2月にデータ入力を行い,3月末までにデータクリーニング,単純集計の速報版の作成を行った。他方,文献・理論研究については研究会において随時,研究報告を行い,共同討議を行った。また,研究分担者が平成20年1月に行った海外調査を踏まえた事例報告の討議も行った。 以上のように,平成19年度は当初予定していた研究計画を無事,履行することができた。
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