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2010 年度 実績報告書

障害者と芸術活動に関する社会学的研究-社会における自己表現

研究課題

研究課題/領域番号 19530480
研究機関京都造形芸術大学

研究代表者

藤澤 三佳  京都造形芸術大学, 芸術学部, 教授 (00259425)

キーワード精神障害 / 芸術社会学 / 芸術 / アート
研究概要

本年度は、障害者の芸術活動について、さまざまな障害の程度と芸術活動との関連性を明らかにするなかで、特に精神障害を中心に考察し、学会発表をおこなったが、社会学と心理学との学際的研究及び、それらを総合した領域を形成する目的により日本臨床心理学会においても発表をおこなった。
上記学会発表をまとめ、また、参与観察のために今年5月に、勤務大学付属展覧会場であるギャラリー・オーブにおいて、共に企画する展覧会の準備を行っている内容を含めながら、論文「精神科病院における造形活動と患者の自己表現」を発表した。
上記論文の内容に関しては、精神病院の造形教室に関して、特に歴史的側面の分析も重視し、日本において病院内の芸術活動が始まる1960年代から現在までの変遷と、精神障害者の表現の意味、その特徴を歴史的資料、当時の映像資料等を用いながら分析した。これにあたりH精神病院をとりあげ、他の病院内の造形教室や芸術療法と比較しながら、造形教室が生じる医療・福祉の場における1960年代の文化・芸術的状況の創成期、造形教室という集団の役割、指導者やメンバー間の関係、鑑賞者や支援者の果たしている役割を中心にして分析をおこなった。さらに、アメリカやイギリス、フランスにおける芸術活動の歴史を考察し、国内の状況と、特にフランスのアトリエ・ノンフェール等海外における障害者の芸術活動との比較研究をおこなった。
上記研究の意義や重要性に関しては、障害者が芸術活動をおこなう際、その障害を否定的にとらえるのではなく、それをバネとして自己表現、他者との共感、社会的変化をもたらしている点が明らかになった点である。方法論としては、従来、生活史分析と、芸術的側面を扱う芸術活動、表現内容をリンクさせて考察された研究がみられなかったことから、人間学・心理学・社会学研究と、芸術学研究を交差させて研究をおこなった点であると考える。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 精神科病院における造形活動と患者の自己表現2011

    • 著者名/発表者名
      藤澤三佳
    • 雑誌名

      社会臨床雑誌

      巻: 第18巻 ページ: 27-43

    • 査読あり
  • [学会発表] 精神病院における造形活動に関する考察~患者の「自己表現」の観点から~2010

    • 著者名/発表者名
      藤澤三佳
    • 学会等名
      第83回日本社会学会
    • 発表場所
      名古屋大学
    • 年月日
      2010-11-06
  • [学会発表] 精神病院における「自己表現」としての絵画活動~H精神病院における絵画活動の事例より-2010

    • 著者名/発表者名
      藤澤三佳
    • 学会等名
      第46回日本臨床心理学会
    • 発表場所
      国立オリンピック記念青少年総合センター
    • 年月日
      2010-09-25

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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