本研究の目的は、米国で開発されたBaileyのFamily Needs Surveyを参考に日本語版を開発し、その質問紙の社会的妥当性おにび特性を明らかにし、さらに家族のニーズを組み込んだ個別の支援計画立案が可能になるように活用の事例を提示することにある。 今年度は、4年間の研究期間の第3年次にあたる。 前年度刊行の研究成果中間報告書に概要を示した日本語版質問紙についての社会的妥当性および障害種別や重症度による差を明らかにした研究成果は、日本特殊教育学会第47回大会で協力者とともに2題発表し、海外の研究者を含む多くの研究者と議論し、一部を論文として刊行した。 また、質問紙でとらえたニーズの個別の支援計画への取り入れ方について、米国の個別家族支援計画(IFSP)の先進的な取り組みを行っているマサチューセッツ州ボストン子ども病院および障害乳幼児支援施設でIFSPの実務にあたっているソーシャル・ワーカーに情報提供を求め、州法に基づいた手続きやIFSPの書式を入手し分析中である。開発した質問紙の活用事例については、複数の機関の責任者への依頼は終了したが、結果については次年度に報告予定である。 本研究が、日本における乳幼児期の障害児の家族支援につながる重要性について海外の研究者にも承認され、家族ニーズとIFSP立案に関する講義を米国のソーシャル・ワーカーを招聘し、研究成果発表および公開講演会を開催予定である。
|