本研究は養護型不登校(長期的な経済的不利に由来する学力不振を伴う不登校)を経験した子どもたちが社会的に自立していくための要因と課題を明確にしようとしたものである。そのため生活保護率が極めて高い地域で暮らす不登校児69 人(うち生活保護世帯58%)のフォローアップ調査を実施した。中学卒業時点での進路は高校進学が56%、無職32%であった。学歴が確定している調査対象者の7 割が中卒であった。調査時点で社会的(経済的)に自立している群と自立していない群の相違は後者が前者に比べ生活技能の困難、ソーシャルサポートネットワークからの疎外を経験している傾向が高かった。
|