研究概要 |
研究目的:本研究は、保健医療ソーシャルワークのコンピテンシーの構成要素を決める要因を明らかし、その上で、コンピテンシーの向上が「問題対処行動」の実行を促進し、結果としてストレス反応が緩和するのではないかという仮説の検証を目的とし2つの調査を行った。研究方法:1つ目の調査は医療現揚に勤務しているソーシャルワーカーを対象者として,フォーカスグループインタビューを行った.インタビュー調査の結果、ミクロに関するコンピテンスとメゾ・マクロに関するコンピテンスが抽出された。2つ目の調査は2006年4月からの2年間の日本医療社会事業入会者のうち、大学教員等を除いた医療ソーシャルワーカー、616名に郵送調査を行った。有効回答数は343票であった。主な調査内容は、基本属性,コンピテンシー、ストレッサーとストレス反応、問題対処行動を測定し分析を行った。研究結果:コンピテンシーの向上には、ソーシャルワーカーとしての経験年数や管理職業務の有無等の要素が関連していた。さらにこのコンピテンシーの向上は、「問題対処行動」の実行を促進し、結果としてストレス反応を緩和するということが明らかになった。以上のことから、コンピテンシーの向上は利用者中心の支援と地域において患者中心のネットワーク作りと,ミクロからメゾ,マクロまでの幅広い業務が可能となり、さらに地域資源との関係性も構築することも得意とする分野であることが明らかになった。さらにソーシャルワーカーがコンピテンシーの向上が問題対処行動の促進につながり、ストレス軽減に影響を与えることが明らかになった。
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