研究課題/領域番号 |
19530518
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
金子 光一 東洋大学, 社会学部, 教授 (30255153)
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研究分担者 |
西郷 泰之 大正大学, 人間学部, 教授 (30266241)
山本 真実 東洋英和女学院大学, 人間科学部, 准教授 (20337695)
小倉 常明 淑徳大学, 国際コミュニケーション学部, 准教授 (30352701)
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キーワード | 福祉多元主義 / 児童福祉 / 児童福祉政策史 / 公私関係 / 保育サービス / 民営化 / イギリス / デンマーク |
研究概要 |
研究2年目の平成20年度は、主にイギリスとデンマークでの現地調査を中心に行った。研究代表者は、イギリスにおける福祉サービスの多元化の理論的背景をまとめ、3人の研究分担者は、それぞれ当該分野サービスの多元化の政策的背景、社会意識について現地資料をもとに整理した。また、研究分担者を中心に、福祉サービスの多元化の現状について、有識者に対するインタヴューを行った。具体的にイギリスでは、ロンドン北部にあるノーウィッジ(Norwich)へ行き、イースト・アングリア大学(University of East Anglia)のジューン・ソーバーン(June Thoburn)名誉教授にお会いし、イギリスにおける福祉サービスの多元化の流れと児童養護を中心とする児童福祉の現状についてヒアリングを行った。また、ジューン名誉教授の夫のジョン・ソーバーン(John T.Thoburn)氏は、日本の立命館アジア太平洋大学で経済開発の教授をなさっており、ジョン教授からも経済学の視点から貴重なご意見を頂戴した。さらに、ロンドン西部にあるブリストル(Bristol)へ行き、ブリストル大学社会政策研究学部(School for Policy Studies)のサラ・ペイン(Sarah Payne)准教授(Reader)にお会いした。彼女は住宅やジェンダーの専門家であるが、公私関係には詳しく有益な情報を提供してくれた。さらに、ロンドンでは、主にウエストミンスター市内の児童福祉施設やジョブセンタープラス(Job center plus)などを視察した。とくにメクレンバーグスクエア(Mecklenburgh squ.)にある児童家庭センター(Kids Family Center)のCoram Parents'Centerは、未就学児を対象とする日本の「子育て広場」に相当する施設で、トーマス・コラム(Thomas Coram)が設立した歴史的にも伝統のあるところである。デンマークのコペンハーゲンでは、公設の児童福祉施設を中心に見学し、ステフェンセン・カズコ(Kazuko Steffensen)氏にインタヴューを行うことができた。当初予定していた以上に旅費に経費を要し、現地での通訳・連絡調整を担当する研究協力者を雇用することはできなかったが、研究分担者がテープ起こしなどを行い対応した。また、旅費にかかった経費は、物品経費を削減することで対応した。
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