研究課題/領域番号 |
19530528
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
山田 裕子 同志社大学, 社会学部, 教授 (80278457)
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研究分担者 |
武地 一 京都大学, 医学研究科, 助教 (10314197)
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キーワード | 認知症への適応促進 / 家族介護者 / 個別アセスメント / 福祉・心理・教育介入 / 介入群と対照群 / 効果を測定 / モデル構築 / 人材養成 |
研究概要 |
この研究は、もの忘れ外来において認知症の診断を受けた患者と家族に対し、認知症への適応を促進するために、家族介護者の個別アセスメントに基づく包括的福祉・心理・教育介入プログラムを開発し、その効果について、介入群と対照群の2群を用いて2年間の評価を行うことを企図するものである。 第1年目は、この包括的福祉・心理・教育プログラムの詳細で具体的な準備段階に当たり、介入内容の開発とその介入効果を測定する尺度の探索と決定、同時に研究代表者の所属機関と、もの忘れ外来の担当医である研究分担者の所属機関の2カ所の「人を対象とする倫理審査委員会」からの認可、そしてスタッフの技術獲得などに宛てられた。それは次の4種の作業であった。 まず第1に、当研究のモデル構築を綿密に行い、ベースラインとアウトカムの2時点で用いる尺度を文献レビューを通して比較検討の上選択した。これはRandomized Controlled Trial(RCT)であるために推奨されるものである。第2に研究対象者となるもの忘れ外来の新規10数組の患者と家族に診察前のインタビューを行うパイロットスタディである。これによりRCTの流れを試行できた。第3に、同志社大学と京都大学の2カ所の「人を対象とする調査の倫理委員会」に提出する書類を作成した。提出後、同志社からはすぐに認可を得たが、京大においては大学院医学研究科・医学部医の倫理委員会から詳細な質問を受け全編にわたり追加修正を施し、再提出し認可された。第4に、提供する介入とサービスに必要な技術獲得のために講習会を実施し(1.5時間、週2回、4週間)、サービス提供場所の選定を行った。この研究が介入研究であるために必要な準備であった。これら4種の作業は研究の精度を高めるために必須のものであり、申請段階では気づき得なかった事柄を我々研究者に発見させる重要なプロセスであった。また被験者への影響を企図する介入を用いるこの研究の必須の準備段階であった。
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