研究課題
平成21年(2009年)に入り、対象被験者の数が減少し計画通りリクルートできない事態に直面し、その原因を探りつつ、調査を続けた。2009年度には13組の認知症患者とその家族介護者の新規参加があり、6組が介入群、7組が対照群となった。アセスメント実施数は、介入群は診断直後の第1回は6名、第2回は9名、第3回は9名、第4回(最終回)は4名、対照群は第1回は7名、第2回は9名、第3回は4名、第4回(最終回)は3名である。介入グループには家族会を2009年4月18日、7月18日から2010年3月まで毎月1回(2009年5,6月は休会)家族会を合計9回実施した。各回の参加は、家族,患者本人それぞれ5~7名、延べ家族約50名、患者本人約50名である。電話相談は月に3回の土曜日の午前または午後3時間である。RCTでは、継続中のプログラムの分析は行わず、記録をとることに留めた。2009年に、この事業の対象となる患者の数の減少を重く受け止め、その原因を探った。原因の一つは、患者を診る医師2名の内1名が退職し、母集団である外来新患で認知症診断を受ける患者と家族のペア数が減少したことであった。また、それ以外の原因として、外来受診する新患の家族形態が以前とは変化しており、家族が同居していないために、家族会に参加できない、あるいはこども2~3名が分担して介護しているため、主たる介護者を特定できないなどであった。さらに、夫が妻の介護者となるケースが増え、夫介護者は、そのような研究事業に加わりたがらない、あるいは仕事を持っているので、そのような研究事業には時間をとられたくない、とすることもあった。そのような調査結果を学会発表した。一方、6ヵ月の介入を2008年度に始めたグループは、2009年4月には介入の家族会への参加は終わりを迎えた。この患者と家族のグループは、仲が良くなった仲間と離ればなれになることをきらい、同窓会を形成して、2ヵ月に1回会合を持っている。
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日本認知症ケア学会誌
巻: 8(1) ページ: 40-50