研究概要 |
H22(2010)年度は最終年度で、すでにH21(2009)年度末(=2010年3月)に参加者募集を停止、H22(2010)年9月に介入を終了した。 H21(2009)年度から、対象被験者の数が計画よりも少ないことに注目、当初の予定より募集期間を延長したが、2010年度にも予期した医師の補充はなく、被験者の数はさらに減り続けた。 H22(2010)年度には1組の新規参加者があり、介入群となった(2009年度中に参加を表明)。 当年度、アセスメント実施数は、介入群には、診断直後の第1回目が1名、第2回目が2名、第3回目が5名、第4日回目が8名であり、対照群には診断直後の第1回は0名、第2回は4名、第3回は6名、第4回(最終回)は6名である。H22(2010)年度のアセスメント実施回数は32回である。 介入グループにはH22(2010)年4月24日から9月まで毎月1回家族会を合計6回実施した。各回の参加は、家族,患者本人それぞれ2~4名、延べ家族約20名、患者本人約20名である。電話相談は月に3回の土曜日の午前または午後3時間である。 分析は、ベースラインの2つのグループの比較を行った。介護者の年齢、男女比、教育歴などに差はなかったが、自己効能感は、介入群よりも対照群に有意に高かった。ベースラインと6カ月後の比較では、介入群の患者のI-ADLと介護者の自己効能感が低下した。介護者の介護負担感は6カ月後に有意ではなかったが、わずかにやわらいだ。介入グループと対照グループの間の結果変数には、なんら有意な差は見られなかった。 結論 診断後6カ月間の介入の主要な結果変数は有意な効果は示さなかったが、診断直後の介入は、1年から1年半後に効果が現れると予測してデザインした本研究の暫定的な分析結果にすぎず、今後、1年後、1年半後の、両グループの比較に効果があらわれるかを確認したい期待している。
|