平成19年度はMD&Dのプロセスの第2フェーズの「極低出生体重児へのソーシャルワーク実践モデル」の叩き台を作成する準備として、実践の主体である周産期・新生児医療の専門施設においてソーシャルワークを行なっている職員に対する実態調査を行なった。調査研究の手順は以下の通りである。 平成19年5月〜6月:平成13年度〜平成18年度において行なってきた極低出生体重児と家族へのソーシャルワーク援助事例の分析と、母に対する質的調査により医療ソーシャルワークの長期の実践モデルの開発の必要性と、援助が必要となる時期や介入のタイミングが明らかとなった。それを基にソーシャルワーク援助のフロー図の仮説を作成し、過去の調査研究のレビューを行ない、さらに援助の実態を把握するための調査票を作成するに際して研究協力体制を整えた。 平成19年7月〜8月:極低出生体重児にソーシャルワークを行っている5施設6名のソーシャルワーカーと1名の専門医にインタビューを行い、調査表作成のための準備を行った。9月に研究協力者と研究会を開催した。 平成19年9月〜10月:以上の成果をもとに予備調査票を作成した。 平成19年11月〜12月:11施設30人の医療ソーシャルワーカーに予備調査を行ない25人から回答を得た。 平成20年1月:本調査票作成し調査準備を行なった。 平成20年2月〜3月:周産期母子医療センターと日本周産期・新生児医学会が認定する専門医研修施設計766施設においてソーシャルワーク業務を行っている職員を対象に本調査を行ないデータ入力及びデータクリーニングを行なった。 有効回収数は420施設で回収率は54.8%であった。それらの施設の職員673人がソーシャルワーク業務を行なっており、そのうち463人が周産期・新生児・小児医療(新生児期から始まる疾患の治療に関連する)のケースを担当したことがあった。463人のうち社会福祉士は350人であり75.6%を占めていた。平成20年度はかかわりの経路とかかわりのきっかけ理由、援助内容について分析をすすめる予定である。
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