1)ドイツでの調査。カッセルのディアコニーで、幼児・学齢期の障害者に対する支援や統合教育を推進する福祉専門職を養成する教育機関などを視察した。ビーレフェルト・ベーテルでは、障害者を支援する入所・通所施設、作業所などを視察した。さらに、ソーシャルワーカーなどの福祉職を養成する高等教育機関を訪問し、ソーシャルワーカーの福祉専門職の養成のカリキュラムについてインタビューし、その結果有意義な基礎的資料を入手した。2)大韓民国での調査。当該調査において、まず高齢者分野における「生と死」教育にかかわるシラバス、資料を入手し、社会福祉サービスの提供の具体的方法に関する聞き取りを行った。その次に高齢者福祉の中での「生と死」に扱いに関する講義内容の調査、老人福祉館におおいて地域福祉センターの現状、生活保護生活者の施設利用等を調査した。老人ホームを視察し韓国の老人ホームの現状、療養費、儒教文化における今後の高齢者福祉の状況等の聞き取り調査を行った。以上の調査から、本研究の目指す「生と死」教育が、まさにアプリオリになされており、社会福祉教育と「生と死」教育が同じ遡上にあるという示唆を得た。本研究の目的の1つである「利用者が持つ生や死への感覚を専門職としてとらえることができるようになるための教育の実際」を達成できたと判断できる。2)特別養護老人ホームの待機者に関する調査。ある特別養護老人ホームの協力を得、当該施設の待機者に関する量的調査を実施した。サンプルは約300人であった。内容は、主に、現状肯定感及び未来期待感と社会福祉施設へのニーズとの関係を見るものである。平成20年3月末現在で返送率が充分ではなく、充分な分析には到達していない。しかしながら、当該施設の施設長や生活相談員との重なる意見交換の中で、調査結果を学生の教育の場に還元することの重要性が再確認されている。
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