研究概要 |
1.本年度の目的:初年度は,ターミナルケアに関する文献収集と医関の専門職へのインタビューを通して,ターミナルケアにおける医療福祉ニーズを明らかにすることを目的とした。具体的には,特定機能病院,一般病院,緩和ケア病棟,独立型ホスピス,介護老人保健施設など,医療機関の機能別にインタビューを実施するとともに,医師,看護師,リハビリスタッフ,介護福祉士,医療ソーシャルワーカーなど多様な職種にもインタビューを実施した。 2.研究結果:各医療機関、医療スタッフのインタビューから共通して抽出された医療福祉ニーズは,在宅ターミナルケアの実施の必要性,院内外の地域医療福祉連携及びチーム医療の必要性,医療・福祉専門職へのデス、エデュケーションの必要性であることが明らかになった。また,ターミナルケアに必要な知識・技術・態度として,症状緩和手法、技術の普及,クライエントのプライバシー保障,医療スタッフとの信頼関係の構築などが明らかになった。一方,ターミナルケア以前の問題として,医師不足,家族介護者の不在,急性期病院における入院の短縮化など,ターミナルケア実施そのものの困難性が提示された。 3.次年度以降の展開:次年度においては,抽出された医療福祉ニーズの整理を実施するとともに,ターミナルケアにおける医療ソーシャルワーク実践過程について明らかにし,ターミナルケアにおける医療福祉ニーズへの医療ソーシャルワーク実践の方法論について提示を試みる予定である。
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