研究概要 |
2007年度は、以下の項目を中心に研究を遂行した。社会福祉専門職離職に関する先行研究の分析を「平成18年度・介護労働安定センター」の調査をもとに実施した。同調査と「賃金・労働時間等実態調査報告書」(平成19年度:静岡県商工労働部編)を比較検討し両者の分析を実施した。さらに社会福祉職退職者の中から、訪問介護員17名に面接調査を実施し退職の主たる理由等の聞き取りを実施した。 1,「介護労働安定センター」の調査と「賃金・労働時間等実態調査報告書」の分析から、訪問介護系に離職率が高く、その割合は25%以上を占めている。 2,離職が高い年齢別では、20歳代が一番高い傾向を示している。 3,退職者による面接聞き取り調査から、退職の主たる理由に「夜勤の難しさ」「育児のこと」「変則勤務の難しさ」をそれぞれあげている。 4,退職者の共通していた点は、育児等が一段落したら「福祉職」につきたいと考えている者の割合は、80%を超えている。 以上の2つの調査から、離職に至った経緯は様々であるが、女性に関する「育児」「家庭の事情」等を直接の理由にする者の割合は高く、「夜勤等がなく日勤のみであれば、退職せず結婚後も就労した」と答えている者の割合は高い。今後の予定では平成20年度に社会福祉事業者側に「雇用に関する問題点」「求人情報の出し方」「雇用対策」全般について面接調査の予定である。
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