研究概要 |
2009年ではこれまでの筆者の介護労働の現状をまとめた論文「日本における終末ケアマネジメントの研究」論文を科研費出版助成を受け刊行した。(課題番号:19530549)さらに、1,社会福祉専門職離職に関する先行研究を基に施設長に対して10名面接を行い退職理由などの調査を実施した。 2,施設退職者に対して、職員の定着状況・求人内容の聞き取りを実施した。この両者の調査から、以下のことが明らかにされた。 (1)介護労働の求人状況は、静岡県東部及び西部の郊外にいくに従い、施設では職員確保に大変苦労している状況下にある。 (2)上記の点は、介護福祉実習や社会福祉士実習指導で施設を訪問した際、実習生の8割は施設への就職を強く勧められている。中には、実習生の実習に要する交通費を全額支給している施設もみられた。多くの実習生が、施設への就職を薦められている。 (3)退職者による面接聞き取り調査より、居宅事業所においては退職希望した時8割以上の者が退職しにくい現状であったことが明らかにされた。 (4)退職理由に共通していた点は、女性の福利厚生面が極めて不十分でありその対策が乏しい (5)「(4)」に関して、具体的退職理由として「育児や家事」「在宅介護」を主たる理由にあげている。
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