研究分担者 |
寺井 あすか 東京工業大学, グローバルエッジ研究院, テニュア・トラック助教 (70422540)
栗山 直子 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 助教 (90361782)
楠見 孝 京都大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (70195444)
織田 弥生 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 東京工業大学特別研究員 (40456265)
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研究概要 |
本研究では,我々が普段あうような犯罪被害を明らかにした上で,周りの対応が精神的な被害感情(自己非難や恐怖心・不安感)低減に及ぼす影響,および自分の対処が被害感情低減に及ぼす影響について検討した。 調査対象者は,首都圏の大学生104名(男性54名,女性50名)。質問冊子を2008年11月に質問紙を配布回収した。質問項目は,"今までの犯罪被害の中で,最もショックだった犯罪被害経験"について,時期,被害内容(自由記述)を回答させた。被害当時の被害感情については"適切な行動をしておけばよかったと思う","自分を責めた","不安を感じた","ストレスを感じた"など10項目。周囲の対応については,"家族・友人などが,同情して慰めてくれた"など8項目。自分の対処については"誰かに聞いてもらうことで気持ちの整理をつける","忘れようとした"など17項目。今現在の被害感情については,当時の被害感情と同じ項目。各項目は5段階評定で測定した。 その結果,男性は最もショックだったものや被害の大きかった犯罪被害として,金銭的被害(泥棒・盗難)をあげる傾向が高く(38人),女性は身体的被害(痴漢)をあげる傾向が高い(27人)ことがわかった。さらに犯罪被害の感情を和らげるためには,周りの人の対応としては,被害者の話に耳を傾け,罪責感を軽減させる言葉をかけるなどが重要であること,自分自身の対処としては,人に話をして自分の気持ちの整理をすること,被害回避のために何かしようとすることが必要であることがわかった。
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